耳鼻科の病気

聞こえにくい

どんな症状?

難聴の原因は様々です。いつごろから、どのようにして難聴が起こったのか、思い当たる原因はないか、難聴と一緒に起こった他の症状はないか、などなど、その背景について詳しく医師に説明してください。難聴はこういった問診が特に重要なのです。

まずは難聴が伝音難聴(外耳または中耳の疾患で起こるタイプの難聴)なのか、感音難聴(内耳または聴神経や聴覚中枢の疾患で起こるタイプの難聴)なのかを区別 します。これは聴力検査で簡単に判別 できることが多いです。

伝音難聴

  • 外耳疾患 - 外耳道閉塞、外耳道異物、耳垢栓塞などで物理的に閉塞がある場合、伝音難聴を来たします。診察で判定できる場合が多いですが、その場合も他の疾患の合併がないかどうかを確かめておくことが大事です。
  • 中耳疾患 - 慢性中耳炎や外傷などで鼓膜に穿孔がある場合も伝音難聴を来たします。この場合、パッチテスト(薄い膜などを鼓膜の破れた部分において聴力の改善を見る検査)をすれば、さらに奥の耳小骨のつながりに異常があるかどうかが判定できます。
    滲出性中耳炎や耳管狭窄などでは鼓膜穿孔はありませんが、やはり伝音難聴を生じます。これらの場合は、ティンパノメトリ-で検査をして、さらに詳しく鑑別します。

感音難聴

感音難聴は、内耳または聴神経や聴覚中枢などの異常によって生じます。感音難聴を来たす疾患を確実に鑑別 するためには 聴性脳幹反応などの特殊な検査が必要で、大きな病院に行く必要があります。ですが日常診療では、随伴する他症状や発症の様子などを詳しく問診することによって、ほぼ判定できる場合も少なくないので、必ずしも特殊な精密検査を必要としない場合も多いです。

音響外傷(騒音性難聴)は一過性または継続的に、強大な音を聞いた履歴があり、聴力検査でも4000Hzの聴力が特に低下するという特徴があります。薬剤性難聴では、内耳に副作用を起こす薬剤の内服歴を聞くことが重要です。メニエール病では低音域の聴力が低下することが多く、また多くの場合めまい発作の既往があります。老人性難聴では、高音域の聴力が特徴的に低下します。突発性難聴ではその突然発症が特徴です。心因性難聴では発症の原因となったストレスや心理要因があるはずで、ていねいに時間をかけて話し合う必要があるでしょう。聴神経腫瘍は、単純X線検査でみつかることもありますが、CTなどの精密検査が必要となることが多いです。他にも、おたふく風邪、多発性硬化症など、難聴を来たすような全身疾患があり、やはり病歴の問診が重要になります

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